甲州街道(蔦木宿)

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甲州街道(蔦木宿)
【甲州街道】甲州街道は江戸日本橋から中山道の下諏訪宿(長野県下諏訪町)に至る街道で、特に江戸城の支城である甲府城(山梨県甲府市)の城下町を経由する事から五街道に数えられ幕府から重要視されました。下諏訪宿から見ると中山道より甲州街道の方が江戸まで最短距離で結んでいましたが、圧倒的に利用人数が中山道の方が勝っており宿場町も大きく発展しています。それに比べると甲州街道は参勤交代で利用する大名も飯田藩(長野県飯田市)、高遠藩(長野県伊那市高遠町)、高島藩(長野県諏訪市)の3藩に留まっています。長野県内の宿場町は下諏訪宿、上諏訪宿(諏訪市)、金沢宿(茅野市)、蔦木宿(富士見町)の4宿で、下諏訪宿は、中山道との分岐点、諏訪大社下社秋宮の門前町、諏訪温泉の湯治場としての温泉街として発展しました。上諏訪宿は高島藩の藩都、日本三大湖城に数えられる高島城の城下町で、諏訪大社上社本宮の参拝路の分岐点でもありました。

【蔦木宿】−蔦木宿は甲州街道の宿場町で慶長16年(1611)頃に宿場町として整備され、街道沿いには本陣や問屋などが設置されました。明治維新により宿場制度が廃止となり、近代交通網が整備されると急速に衰退し、それでも明治40年(1907)まで本陣が残されていたようです。現在では片側だけ古い町屋が残され町並みが形成され、本陣の唯一の遺構である表門(棟門形式、切妻、鉄板葺き、一間一戸)が本陣跡地に数度の移転の後に移築保存されています。

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